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「それは辛かったと思うけど…って何?私の事も殺す気なの?」
三橋さんがカバンの中から包丁を出した。
『私の事殺したいでしょ?』
そう言うと、三橋さんはしゃがんで包丁を私の足元に転がした。
「いいの?殺したい」
『私も聞くけど、良いの?あーちゃん、夢があるんでしょ?その為に学年一位になっていたんじゃないの?』
「あったわよ。でも、もういい。誰が何て言おうとあんたを殺すわ」
三橋さんを殺したら何もかも失ってしまうけれど、そんな事どうでもいいわ…。
『姉ちゃん!!待てよ!!』
振り向くと海里が立っていた。
手に封筒を持って。
「海里…」
『俺、里香ちゃんの手紙読んだんだよ!!そこには、俺らの父さんは病気で死んだ、とか俺らに「ごめんなさい」と書いてあった』
私は海里から手紙を受け取り読んだ。
『早く~殺すなら殺してよ~』
『いや、姉ちゃんは殺さな』
「いや、殺すよ。そして、刺した後突き落としてやる」
包丁を三橋さんに向けて近付く。
「海里は、そこに居て見てな!!」
一歩ずつ、一歩ずつ三橋さんに近付いていく。
『いいよ、私、覚悟してるから』
三橋さんが目を瞑ったので、私は勢いよく包丁を振り上げた。
あぁ、私は殺人犯になってしまう。
でも、いい…。
殺さないと気が済まないから…。
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