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「あの人たち知っていたのよ!こうなるってことを!」
「クソッ!いったいどうなっているんだ!」
ロバートはエンジンを止め、車を降りた。大股で歩き、
「この状況を説明しろ!」
憤然と言い放った。オリバーは、
「そう怒るなよ。朝になったら話してやるよ」
と背を向けた。
「待てよ!」
オリバーの肩を掴んだ。
「えっ!?」
肩がぐにゃっと変形し、ポロっと落ちた。
ヘレナは両手で口を覆い、ロバートは後退った。
「やだわ!あなたたち何てことを!?」
グロリアは慌ててオリバーの落ちた肩を拾い元に戻して言った。
「これでわかったでしょう。夜を司る女神はいないの」
何が起きた?自分たちは幻覚を見たのか?なぜ門の外へ出られなかった?
言い知れない恐怖心に心を占領されたヘレナとロバートは、まんじりともせずに朝を迎えた。
「なに暗い表情をしているのさ。今日こそキャンプファイヤーしようじゃないか」
ビルは陽気な声で言った。ジェニファは窓を開け顔を出し外の空気を吸った。生い繁る木々に数羽の鳥たちが止まって囀っている。
「キャンプ場の傍には小川があったわよね。魚いるかしら」
と楽しげに言った。
何も知らないふたりの呑気な様子に、ロバートとヘレナが嘲笑った。
「平気でいられるのも今のうちだけよ」
「ヘレナ、昨日から変よ」
「変なのはジェニファ、あなたの方よ!」
「なんですって!?」
「まぁまぁふたりとも」
割って入ったジムにロバートが言う。
「すべて君のせいなんだからな!」
「おいおい、ロバートまで、八つ当たりはよしてくれよ」
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