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「早く出よう!」
ジムは駆け出した。玄関を開けてみたが開かない。それどこか玄関は消えた。ジムは、わけがわからなくなった。
「ロバート!ヘレナ!」
と呼ぶが姿が見えない。
「助けてくれよ!ここから出してくれ!」
ドン!と全身に衝撃がはしり、ふと前を見る。そこには元の姿のジェニファが、チェーンソーを持って待ち受けていた。
「お、おい、やめろ」
逃げ出すジムを追い駆けるジェニファは、
「止めて!誰か!私を止めて!」
と泣き喚きながらチェーンソーを振り回す。
「ジェニファ、きみ、」
彼女が何かに操られているとわかったジムは立ち止まった。ジェニファは勢い良くジムに向かって行く。ジムは持っていた拳銃でジェニファを撃った、が弾丸はチェーンソーに弾かれた。
「うおぉぉぉぉ」
野太い声がジェニファから発せられた。
パン!ジェニファの額を弾が貫通した。と、ほぼ同時にチェーンソーでスパッと、ビルの頸が切り落とされた。
いったい何がどうなっているのか。ロバートとヘレナは家の中で身動きが取れなくなっていた。聞こえてきたのはジェニファとビルの声。それに拳銃の発砲音とチェーンソーの音だった。
キース夫妻は倒れたふたりを見つめ、
「これでまた暫く食いつなげるな」
「ええ。ここでの暮らしは楽でいいわ」
口許を怪しく歪め、ふたりの死体を担いだ。
視えない何かに縛られていたロバートとヘレナは解放され、急いで玄関の扉を開けた。
「待ってたんだぜ」
とジムが笑顔で迎える。
「早くキャンプ場へ行きましょう」
ジェニファも微笑む。
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