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「いいんですか?」
ジェニファは弾んだ声で言った。
「もちろんよ。その前に少し待っていてちょうだい。主人に伝えてくるから」
一旦ドアが閉じられた。
「よかった」
ジムが胸を撫で下ろすと、
「ジム。きみが近道をしようとしたせいで、こんなことになったんだ。僕の言うことを聞いていれば今頃キャンプ場に着いていたはずなんだよ」
ロバートが文句を言った。
「悪かったとは思っているよ。でもさ、ちょっと道に迷ったくらいで、突っ掛からなくてもいいだろう」
「突っ掛かってなんてないだろう」
ふたりの間にヘレナが割って入り、
「よしなさいよふたりとも。今更、言い争っても仕方ないでしょう」
と宥めた。
玄関ドアが開いて、
「お待たせ。どうぞ入って」
女は快く若者たちを招き入れ二階へ案内した。ベランダのある部屋は広く、バスルームも備わっていてベットも四台あった。
「夕食はまだでしょう。すぐに持ってくるわね」
部屋を出ようとした女にジェニファが訊いた。
「ご親切にありがとうございます。お名前を聞かせて下さい」
「あらごめんなさい。私はグロリア=キース。主人はオリバー。あなたたちは?」とグロリアも若者たちに訊いた。
「私はジェニファ=プランタ」と名乗ると、
「俺はジム=カーター。今日は本当に助かりました」
と笑顔で言った。グロリアは、
「お役に立てて何よりよ」
と応えヘレナとロバートの方に顔を向けた。
「ヘレナ=スミスです。」
「僕はロバート=ベンソン」
グロリアは彼らに笑顔を向けた。
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