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第三章『ゲーム終了』
『越庵』
「こんにちは~」
「は~い。あら~、ナオ君にトモちゃんいらっしゃい」
ナオ達を迎えたのはこの店の女将さん・奈子。
ちなみに名字は亜月(あづき)。
続けると・・・(笑)
あっ、越庵について詳しく知りたい方も俺達シリーズ第2弾『季節はずれのサンタクロース』をご覧下さい。
「すいません、マサ達来てません?」
さすがにここで追い付いただろうと思いながら尋ねるナオ。
「あぁ、マサ君と寺門さん?来てたわよ」
「あっ、良かっ・・・来てた?ってことは、もういないんですか?」
トモが一瞬安堵しかけて聞き返す。
「本当ついさっきまで奥でお汁粉食べてたんだけどね」
ナオ達が奥を覗くと確かにマサと寺門がいた形跡が山のように残っていた。
「ったく、あの二人私達から逃げてるんじゃない?」
さすがのトモも困り顔。
女将さんに挨拶して越庵を出てきた二人は歩きながらこれからどうするか考えていた。
「さすがにこれだけ食べてきたからもう締めだろ。となると・・・」
ナオが答えを導き出そうとする。
「もしかして俺らハメられたかも」
ナオの言葉に
「私もそんな気がしてきた」
トモも頷いている。
ハメられたといっても自分達で勝手にではあるが。
どうやら最終地点は二人共同じ所を思い浮かべているらしい。
「よー、お前ら何してたんだ。もうみんな揃ってるぞ」
いた!
しかも二人揃って呑気にカルボナーラ食べてるし。
どんだけ食べるねん!
「二人共お疲れ」
レナが労いの言葉。
「これ僕から」
タカはジュースを出してくれた。
そう、ここは四川。
マサを探す対決がスタートした場所。
結局スタートがゴールだったのだ。
タカはマサのことだから最終的に四川にやって来るだろうと考え、レナと共に四川で待っていたらしい。
ナオ達はマサ達と無駄ないたちごっこをしてただけ。
「何事も急がば回れってな」
事情を知ってか知らずかのマサの一言に
「お前が言うなよ!」
ついつい突っ込んでしまうナオ&トモなのであった。
〈おわり〉
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