花屋さんとバイト君

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コンビニのレジカウンター内でしゃがみ込み、カウンターに置いた両腕に顎を乗せてぼんやりと客足の途絶えた店内を見る。 「はぁ~、やっぱり無理かなぁ…無理だよなぁ、やっぱり~」 何度目か分からない溜め息を吐く。 頭の中は朋之でいっぱいだ… 割れた鉢植えが切っ掛けで初めて俺から声を掛け、お互いの名前と同い年だという事を知り、色んな事を話すようになった。 コロコロと変わる表情、いつも輝いて見えるあの瞳、朋之の事を色々と知る毎にどんどん惹かれていくのが分かる。 でもなぁ… 同じ男に「好きだ」なんて言われたら、普通は引くだろ? 俺なら引く! 間違いなく引く! 同い年の可愛い女の子に言われるのならまだしも、俺みたいな背が高いだけのゴツイ男に告白されて、喜ぶような男はいないよなぁ… でももし…もしもだ! もし朋之に「好きだ」て言われたら俺……即行でOKしちゃうだろうなぁ… 何度か顔を出した花屋の店内で見た朋之の姿を脳内に思い浮かべる。 花のひとつひとつに優しく触れそっと話し掛けるその横顔に、どれだけ胸がときめいた事か。 前に「今は彼女はいない」と話していたけど、いつか恋人ができたらあんなふうに触れ、あんなふうに話して……そして笑いかけるんだろうか? 腕の中に顔を突っ伏す。 「あぁ~、俺も花になりてえ~っ!」 「誰が花になりたいって?」 突然頭上から降ってきた声に驚いて、顔を上げた。
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