6話

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そして百合花がジムに行くということは、2人が今日会う予定はないということだろう。 つまり浩一が残業と無駄な言い訳で遅くなることなく帰ってくる。 百合花と繋がっていると浩一のスマホを覗き見ずとも2人の逢い引き事情が分かることもある、それは唯一の利点かもしれない。 『いいですねー! 今日のメニューは何ですか?』 百合花からは即返事が返ってきた。まだ数往復はしそうな会話の流れにげんなりする。 その後も予想通り百合花とのやり取りは続いた。 『そういえば高校の時、私たち一緒にミスコンに出たことありましたよね』 ああそういえば、そんなこともあったっけ。 あれは高3の時の文化祭。当時の友だちに勝手にエントリーされて、流されるままに出場したら運よくグランプリに選ばれた。 確かに百合花のいうように、その時の準ミスが百合花だったような記憶は薄らとある。 けれど何せタイムリープを含めると6年前のことだ、それから怒涛の日々を送ったことも相成って、正直あまり印象には残っていない。 『私は準ミスで、天音センパイはグランプリ。あの時の天音センパイ本当に綺麗でした。 それからずっと、天音センパイは私の憧れだったんです』 ―――よくもまあ、思ってもいないことがこんなにもペラペラと出てくるものだ。
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