6話

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そしてまた金曜日、私は蓮見探偵事務所を訪れる。 今日も翻訳の仕事をしていたのだろうか、ベルの音と共に顔を上げる蓮見さんは眼鏡をかけて、事務所内にはコーヒーの香りが漂っていた。 「……おはようございます。今日もよろしくお願いします」 「ん、おはよ。こちらこそ今日もヨロシク」 陸斗をベビーベッドに預けたら、早速蓮見さんに尋ねる。 「今日はまず何をしますか?」 前回と同じく昼食作りからかまたは掃除か、何でもどんとこいという気持ちで蓮見さんを見やれば、蓮見さんも同じように私の顔をじっと見返してくる。 「そうだな、じゃあ……まず寝ろ。それが今日のお前の仕事」 「……へ?」
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