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思わず、気の抜けた声が出た。
「寝ろって、何がどういう……」
「何ってそのままの意味。まあベッドはないから、そこのソファを代わりに使ってもらうことになるけど」
「いやでも、そんな……どうして?」
戸惑う私に、蓮見さんは言う。
「お前、ろくに眠れてないだろ。すげー顔色悪いよ」
「それは……」
図星だった。あれからも寝不足を重ねた顔色は、安物の化粧品を塗りたくってみても隠せないらしい。
そんな顔を晒していることへの羞恥心で、思わず顔を背けてしまう。
「そんな顔してるやつ働かせておけるかよ。ほら、こっち」
蓮見さんがソファをポンポンと片手で叩く。
それでもまだ躊躇う私に向けて、3本の指を立てて見せた。
「所長命令、3秒以内な。3、2、1……」
「えっ、ちょ、待ってください……!」
慌てて駆け寄って来た私へ、蓮見さんは少し意地悪く笑った。
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