6話

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「ところで、よく眠れたか?」 「あ、はい! それはもうおかげさまで……こんなにぐっすり眠れたの久しぶりです」 「それはよかった。何ならもっと寝ててもよかったのに」 「いやそれはさすがに……」 蓮見さんが私の顔を覗き込むように見つめる。 「うん、顔色も少しはマシになったか」 「……やっぱり私、相当酷い顔してましたよね」 私は自嘲するように呟いた。 「寝不足がたたれば、人間誰しもそんなもんだろ」 けれど蓮見さんがあまりにあっけらかんとそう言うものだから、なんだか拍子抜けの気分になる。 「……そうなんですかね」 「そうだよ。俺も昔ほぼ3日完徹で仕事したことあったけど、そん時の人相は酷かった。 潮が引くようにサッと周りから人が引いてったよ」 「ええ、すごいですねそれ」 この綺麗な顔からは想像もできないことに、思わず小さな笑みが漏れた。 「ああ、だから身体にガタがきてる時はとにかく休むのが1番だ。お前が倒れてたらどうにもならないだろ」 蓮見さんがちらりと陸斗の方へ目を向ける。 「そう、ですよね……この子のためにもしっかりしないといけないのに、私……」
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