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「……そうですよね……」
そう返事をしたものの、私の中では解けない疑問が燻ったままでいた。
そんな私を見かけるように、蓮見さんが「なあ」と声を上げた。
「お前は味方もろくにいない状況で、ホント良くやってるよ。でも時折自分の身体のことも気にかけてやれ。いざ離婚って時も何かと体力使うからな」
「……はい。肝に銘じておきます」
その通りだと、私は神妙に頷く。
ようやっと離婚に向けて動けるという時に、自分の身体が使い物にならないのではどうしようもない。
そんな私に、蓮見さんがふわりと微笑んだ。
「それでもきつい時には、またいつでもここで休めばいい」
恐縮する気持ちはありながら、それでも何よりその温かい心遣いが嬉しかった。
私も自然と口元に笑みが溢れる。
「ありがとうございます。でも……今日はもう十分休ませて貰ったので、せめて今からでもお仕事させて頂きますね」
休んだ分を取り返すくらいの働きを意気込みながら、私は蓮見さんに尋ねた。
「蓮見さん、今日お昼って……」
「ああ、適当にありもので済ませた」
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