6-2話

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それでもボイスレコーダーの存在は知られたくなかったため、使用したのは最初の頃にスマホで録音していたもののほんの一部。 今の段階では多少のリスクを伴う行為だ。けれど同居を断るにはこれくらいの理由を出さないと始まらないとも思ったし、何より浩一がこれを聞いてどんな反応をするのか。 それを見てみたかった。 「……これで分かったと思うけど、私はお義母さんに嫌われてるの。だから同居は無理……」 「いや、でもさ……母さんにもきっと悪気はなかったんだ」 その結果が、これだ。 「確かに言葉はキツイけどさ、どれも天音が嫁の務めをきちんと果たせるように敢えて言ってるんだと思うよ」 はっきりとその耳で義母の暴言を聞いても尚、庇い立てるような戯言を口にする浩一。 そしてまた飛び出した“嫁の務め” それは嫁を奴隷にできる魔法の言葉ではないと、何時になったら分かるのだろう。 「……それに、ここまで言われるなんてお前にも至らないところがあったんじゃないか?」 そして、挙句の果てにこれだ。 「……至らないところ?」
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