1話

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どうしてこんなところにいるのか分からない、分かりたくない。 そんな風に、私はまだ現実を受け止め切れないまま息子―――陸斗の葬儀に訪れていた。 そして今私の前には、その主催者たちが並び立っている。 私を人生のどん底に追いやった、そんな彼らが。 「天音(あまね)センパイ、ごめんなさい……!! 全部、全部私が悪いんです……!! ()()なのに、りっくんのことちゃんと見ていて上げられなかったから……っ」 目の前で女が、大仰に声をあげて泣き崩れる。 「違うんだ天音、彼女は悪くない。全部俺が悪いんだ……!! だから、彼女を責めないでやってくれ……!!」 そんな彼女を支え、必死に庇うのは私の元夫である長尾浩一(ながお こういち)。 「そうだよ百合花(ゆりか)さん、責任は私にだってある、だからそう自分を責めるもんじゃない」 彼女の肩に手を乗せ、慰める元義父。 「コウちゃん、お義父さん……っ」 そんな二人の男に涙目で縋るのは、馬場百合花(ばば ゆりか)。 私はこの女に、全てを奪われた。
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