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結婚後、あんなに優しくて気のいい人たちだと思っていた義両親が豹変した。
義母は料理を作れば必ず出来栄えには文句をつけてきて、時にゴミ箱へぶちまけられた挙句に作り直しを命じられて、洗濯を掃除も「まるでなっていない」と私を叱った。
持っていた洋服で義母が気に食わないものは生ゴミと一緒に捨てられた。
少しでも反論すれば育ちのことから何から、時には亡き両親のことまで罵倒されて躾と称して叩かれることもあった。他にも数え切れていてはキリがない程に、執拗な嫁いびりを受けた。
義父はそれを嫁の立場であるなら当然のことだとして、時に私の体に必要以上に触ることさえも「嫁の務め」だと言い張った。
それを拒めば、以降義父からの当たりはより厳しいものとなった。
そして初めの頃は私を庇う素振りを見せていた浩一も「両親と上手くやれないお前が悪い」と次第に私を責めるようになっていった。
家計は義母や浩一に握られていて、浩一の希望で仕事を辞めて専業主婦になっていた私には自由に使えるお金なんて少しもなかった。
身寄りのない私には逃げる場所も頼れる相手もなくて、それを分かっている彼らはやりたい放題、私はただの奴隷だった。
そんな中私は息子の陸斗を妊娠出産して、義母は初孫である陸斗を溺愛した。
しかし私の扱いが変わることはなくて、産後の肥立ちが悪くとも休むことは許されずに家の中の家事や雑務を強要され、産まれたばかりの我が子と触れ合うことも儘ならなかった。
それ以降も陸斗の育児に携わる多くのことを、義母に奪われ続けた。
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