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赤い糸
有名な名家、富士浦家と養月家。
ある日、富士浦家の長男と養月家の長女が結婚することになったが、
しかし富士浦家の長男が急死、それを知った養月家の長女も、彼を愛していた故に自殺。
よって、富士浦家の次男と養月家の次女が結婚することに。
しかし、富士浦家の次男にはある秘密があった。
それは彼が、妾の子であること。
「こんな僕でも、結婚してくださいますか?」
「はい、有志さん」
僕は、富士浦有志。富士浦家の次男。
彼女は、養月家の次女、養月紅葉。
晴れて僕達は、明日、結婚することになった。
僕達は家柄の事情、親が相手を決めることを承知していた。
そして僕は今日から、紅葉さんを愛すを誓う。
「もう、明日が式だ。早く寝たほうが良い」
僕は紅葉さんにそういった。彼女は、コクリと頷き自分の部屋に向かおうとした。その時、彼女の手を僕は掴んだ。
「今更だけれど…本当に僕で良いのか?」
不安を抱えながら、僕は彼女に聞いた。
彼女はニコリとうなずき、僕の手を握った。
「私は、自分を愛してくれている人がいるだけで嬉しいの」
「僕は、妾の子だぞ?」
「関係ないわ、あなたは私の夫です」
僕は、彼女の手をギュッと握った。
「絶対、幸せにするから」
「はい」
彼女は、自分の部屋へ向かった。
そして僕も眠りについた。
明日、たった一つのリングが僕達をつなぐだろう。
たった一つのリングで。
紅葉さん、僕を恨んでも良いのですよ。
本当はあなたは、私の兄が好きだった。
知っていた、知っていました。
けれども僕の元へ来てくれたこと、本当に嬉しい。
どうか、幸せになろう。幸せにする。
こんな僕を、いつかキミが恨んだとしても。
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