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この時俺は、内に籠る熱のままに、コイツらともっと親交を深めたいと思った。幸いにも、セットは、喫茶店。コーヒーを淹れるには、申し分無い。マネージャーにセットの利用許可を取らせ、俺は、テルとテヒョンに声をかけた。
「一緒にコーヒーを飲まないか?」
俺はコーヒーが好きで、よく自分で淹れていた。コーヒーを淹れる事くらい、なんてことはない。コーヒーを飲みながら、しばしのブレイクスルーを楽しもうと、それくらいの気持ちで声をかけたのだが、2人の反応は、俺の想像するものとは違った。
テヒョンは、目をパチクリとさせ、通訳を介して俺の言葉を受け取ったテルは、困ったように微笑んでいた。
「いや、その、一緒にブレイクスルーが出来ればと思ったのだが……」
2人の態度に、タジタジになりながら、俺がなんとかその場を切り抜けようと声を絞り出すと同時に、テヒョンが飛び跳ねた。
「マジでッ!? だって、あのイ・ジェシクでしょ? マジ、いいの?」
俺とテルは、そんなテヒョンを目を丸くして見ていた。どうやら、テヒョンは、俳優としての、イ・ジェシクに好感を持っていたようだった。
テルは、喜びから小躍りしているテヒョンを楽しむように見つめてから、通訳を介し、遠慮がちに了承の意を伝えてきた。
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