幸せ味のミルクラッテ

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 俺の意思が伝わったようで、ようやく、テルもテヒョンの隣に腰を落ち着けた。 「まだ、豆を挽き始めたばかりだから、もう少し待ってろ」  俺は、ミルに再び手をかける。そんな俺の手元を覗き込みながら、テヒョンが嬉しそうに声を上げる。 「ジェシク兄のミルクラッテ、ずっと飲みたかったんだよねぇ。最近忙し過ぎてさ。もう、飲みたくて飲みたくて」 「そりゃ、どうも。最近は? ドラマ?」 「ん〜ん。映画。結構、CG多くてさ。スタジオに籠りきり」 「いい経験だ。文句言わずに、励め。テルは? 最近、こっちでの仕事多いよな?」 「うん。そうだね。おかげさまで」  俺の問いに、言葉少なにニコリと笑みを見せるテルに、俺は、眉根を寄せた。 「テル。ここに来てまで、無理して笑うな。俺の前では、愚痴でもなんでも言え。そのために、ここへ来たんだろ? なぁ? テヒョン」 「そ! さすが、ジェシク兄。久しぶりに、テルと会ったらさ、ジェシク兄のミルクラッテ飲まなきゃ〜って顔してたから、引っ張って来た」 「何それ? 僕、どんな顔してた?」 「疲れた顔!」  そう言って、テヒョンは、突然、テルの両頬を引っ張った。
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