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「はぁ〜。コレコレ。この甘すぎるくらいの甘さが、疲れた体に沁みるぜ〜」
白く出来た口髭をペロリと舐め取り、テヒョンは、蕩けるような表情を見せる。
テルは、しばらくカップを見つめたあと、ゆっくりとカップを持ち上げ、コクリコクリと、味わうように、喉を鳴らした。
「……美味しい」
カップをソーサーに戻したテルの顔には、先程の笑顔とは違う、自然な笑みが溢れている。
それを見てとった俺も、つられて広角を上げる。それを隠すように、自分用に作ったラテに口をつける。
「甘っ」
自分で作っておきながら、あまりの甘さに、目を見開く。やはり俺は、ブラックの方が好きだ。
「お前らさ〜。いつまでこれ飲む気だよ? もう、酒、呑める歳になっただろう? 知らないかもしれんが、うちは、BARもやってるんだぞ」
「そんなの知ってるよ〜。 なぁ、テル」
俺のボヤキに、テヒョンはカラカラと笑いながら、答える。テルも、一緒に笑いながら、しかし、何処か申し訳なさそうに、眉尻を下げる。
「こっちの酒は、強いから、僕は、まだ苦手。それに、この味は、思い出の味だから、やっぱりこの店では、コレを飲みたいかな」
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