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…ふー、まだ色々と混乱してるけど、冷静にならないと駄目ね。私は、二人に目を合わせてこう言った。
「家に返してください!!!!!」
キレイな見本の様な土下座をした。死にものぐるいで家に帰りたい一心でつい土下座をしてしまった。
すると、首元に何か触られた感覚がありカチャっと何かがはまった音がした。え?と起き上がり首元を見ると首輪を嵌められていた。
首輪を両手で取ろうとすると、次は手錠をかけられた。顔をあげると急に首が締まった。首輪の後ろを触ると鎖でどこかに繋がられていた。
「とても似合っているよ。」
喉が震えていた。その声は喜んでいるような猫なで声だった。ふいに、首輪を触られた。ビクッと後ろに引こうとすると、首輪を引っ張られ、首輪にプレートを付けるサナ。NaYuとあの読みにくいキレイな文字で書かれてあった。
「はい、これで私達の物になったね。なゆに似合うなと思って特注品の首輪と腕輪だよ。可愛いでしょ。」
自慢するかのように話すサナ。後ろでダイキは写真を撮っている。撮った写真を眺めてはうっとりとしていた。
「え、いやこれなに。外してよ。」
「だ〜め♡」
聞く耳を持ってくれない。ダイキは急に手を2回叩いた。すると、3回ノックの音が聞こえた。誰か来ると思い、急いで布団を被った。こんなアブノーマルな事されてるなんて見られたら私の方が変態だと思われるぅ!
「失礼致します。」
黒スーツをキッチリと着た女性二人が一礼して部屋に入ってきた。ダイキの前に二人は跪き、指示を待っているらしい。
「この人たち、誰なんだろう…」
ボソッと呟くとサナが
「ダイキ直属の下僕(部下)よ。」
と教えてくれた。え、直属?てことはやっぱり偉い人なの?この問いにサナは答えなかった。
「お前らは、今日からなゆの身辺警護及びお世話係だ。頼んだぞ。…俺からの信頼を無くす様な真似はするなよ。」
二人は「はいっ!」と返事をした。すると、ダイキとサナはこれから用事があるらしく部屋から出ていった。出ていく前に二人から頭を撫でられ、
「いい子で待ってるんだよ。」
と言われた。何故か(逃げるなよ)と言われた感じがした。
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