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二人が出ていって、黒スーツの女性二人はドアの前に仁王立ちしていた。しーんと気まずい空気が流れる。勇気を出して、声をかけてみる。
「あの、初めまして?えーと、ここに連れてこられた菜友と申される者です。手荒いことはしないので、安心してくださせぇ。」
緊張しすぎて頭がこんがらがってしまった。なんだ、この自己紹介は。
「混乱されることは承知の上です。申し遅れました、ヤブキと申します。隣にいるのがカエデです。これから、あなたのお世話係兼ボディーガードをさせて頂きます。」
キレイなお辞儀をされた。とても若くてキレイな二人。年齢的にも友達になれそうだ。
「よろしくお願いします!堅苦しいのは苦手なので、タメ語でいいよ。私、あなた達とたくさんお話したいな。」
「滅相もございません。奥様は丁重に扱えと命じられています。それに、貴方との身分の差が違いすぎます。」
「え、奥様!?あー、なんか言ってたね。まぁ、いいや。その奥様がいいよって言ってるんだからいいでしょ?」
二人は、どうしようかとあたふたしている。困っている二人が小動物の様でなんかキュート♡
「じゃあ、あの二人が居ない時だけ、その堅苦しい感じをよしてくれたらいいよ。敬語でもいいから、たくさんお話してほしいな。」
「はい、わかりました。奥様。」
二人は、少し赤くなりながらニコッと笑った。とっても、カワイイ。というか美しい。
「あっ、私急に図々しかったですか?ごめんなさい!」
「いえ。私共は貴方さまのナイトです。下僕ともいいましょう。ですので、お気遣いなく。素で居られればよろしいかと。」
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