記憶

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 小学生、中学生、高校生……成長していくにつれて、父には話せないことも増えた。  服とか買い物に一緒に行くのを「……無理」と初めて言ったのはいつだったか?  “お小遣い”じゃなくて“必要経費”と渡されたお金で初めて行った下着売り場……緊張し過ぎて吐きそうになった。  私にも“お母さん”が居たら……思ったことは数えきれない。  正直、あなたを恨んでいた。  離婚か死別か……それさえも知らないけど、父を1人にして私と父に苦労も寂しさも全てを背負わせた“諸悪の根源”だと思ってきた。  口にはしないけど、あなたにキレてぶちまけてやりたかった。でも、絶対に会いたくないとも思っていた。何とか過ごしている生活さえも崩される気がして父だけを見るようにしていたから。  そんな父は今、一人暮らしをしながら穏やかに暮らしている。
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