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その頃、みゆきさんはパート先が人手不足で忙しくなり、
なかなか保育園へのお迎えに行けなくなってしまっていました。
旦那さんも会社勤めなので、なかなか代わりを頼むわけにもいきません。
保育園に延長保育をお願いして、なんとか対応していたある日、
団地の廊下でAさんとすれ違いました。
「最近、忙しそうね。
よければ仕事が終わるまで、可奈子ちゃん、うちで預かろうか?」
「ううん、でも……」
以前はお互いにそうしていましたが、Bちゃんを失ったAさんに、
そんなことをお願いするのは酷なように思えます。
ですがAさんは笑顔で、
「気を遣わなくていいのよ。旦那が帰ってくるまで1人でいるより、
可奈子ちゃんがいてくれた方が私も楽しいし」
そう言ってくれました。
「じゃあ、お願いしてもいい?」
「ええ、もちろん」
そうしてほとんど毎日、可奈子ちゃんのお迎えを任せ、
パートが終わるまでの間、面倒を見てもらう日々が続きました。
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