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その日の夜。
残業で帰りが遅くなった旦那さんが帰宅したときには、
可奈子ちゃんはすでに眠っていました。
みゆきさんは旦那さんに、保育園で先生に言われたことや、
自分が最近感じている違和感について話します。
ビールを飲みながら聞いていた旦那さんは、
「そんなの、気のせいだろ」
と笑い、それから隣にある、可奈子ちゃんが眠る寝室の襖を開けました。
「いつも通りの、可愛い寝顔じゃないか」
そう言って微笑みます。
可奈子ちゃんは、Aさんがくれたあの人形と一緒に眠っていました。
みゆきさんは、もどかしいような思いで旦那さんの背中を見ていましたが、
不意に旦那さんが、
「うん?」
素っ頓狂な声をあげました。そうして可奈子ちゃんの脇にしゃがみ込み、
「うわっ、見てみろよ、これ」
可奈子ちゃんを起こさないように声を抑えつつ、みゆきさんを呼びます。
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