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気持ちが色んな意味で、自分の”その時”と追い付いていっていなかったんだと思います。
この時に泣けていたら。愚痴を零せていたら、良かったのかも知れません。
でも、私は
「世の中にはもっと大変な人もいるんだ!」
って思ってしまったんです。
一回の流産で子供を産めなくなってしまう人もいる。世の中には子供を授かる事が出来ない人もいる。
自分は大丈夫、大丈夫……。と。
約一ヶ月後には、仕事にも復帰しました。
今思うと、きっと気を紛らわしたかったんです。
自分には、他にもいっぱい幸せがあるって思いたかったんです。
赤ちゃんとそれが、比べられるハズのない幸せだとも気付かずに、この時の私は、自分の嫌なものを見ない事に必死だったんだと思います。
そして、自分の気持ちと向き合わないまま年が明けて暫くして……。
私はある日友達と、久し振りに会う約束をしていました。とても楽しみにしていた休日。
けれど、それは私にとって地獄のような1日の始まりで……。
なんとその友達が妊娠していたんです。
しかも、私の子供が無事に育っていたら全く同じ位の時期で……。
その友達の話す事全てが、私にはナイフで刺されてるみたいにグサグサ心に刺さってきました。
赤ちゃんの話をされればされる程、自分の中で汚い感情が湧き上がるのを感じていました。
帰りたい。でも、帰れない。
赤ちゃんの話しないで。やめて、って言えない。
八方美人な、自分が嫌い。
昔、私は言いたい事を言えない自分が大っ嫌いでした。
だから変わろうって努力してきた。
でも、また言えなかった。
友達と別れて姿が見えなくなった瞬間、駅のホームだというのに涙が堪え切れなくて泣きました。
止めようと思っても止まらなくて……。
友達の幸せを喜べない自分。
嘘ついて笑ってる自分。
友達を妬んでる自分。
友達に何も言えなかった自分。
自分、自分、自分!
全て自分が悪いのに、自分で自分を追い詰めただけなのに……。
自分で処理し切れなかった想いを友達のせいにして、私は親とサイ君に泣き喚きながら八つ当たりしました。
最低な自分。
そしてそこから、私は一時期人の幸せ(特に妊娠)を喜べなくなりました。
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