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そして運の悪い事に、たまたまその年は周りが出産ラッシュだったのです。
だから余計に、チクチクと心を刺されてしまったのかな……。
そして、その年の夏。
それは私とサイ君の共通の知り合い夫婦がおめでた、という場面に衝突してしまった時の事でした。
祝福しなきゃ!おめでとうって言わなきゃ!笑わなきゃ!
私は必死に笑顔を作り、「おめでとう」って言いました。
けれど、五分と経たず気持ちが限界。
奥さんの大きなお腹を見ているだけで涙が溢れてきて、その場を離れました。
サイ君は久々に会った友達だからもう少しゆっくりしたいだろうな、と思い。
「ごめん、私だけ先に帰っていい?」とLINEしたら、「どした?」とサイ君。
私が「〇〇ちゃん見てると辛くなるから」と返信すると、「なら僕も帰るよ」とサイ君。
正直に嬉しかったです。
やはり私にとってサイ君は1番今の気持ちを理解してほしい、気持ちに寄り添ってほしい人でしたから。
しかし、この後車内でまさか離婚話になるとは……。
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