三回の流産と不育症……そして、カードゲーム③

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と、まあそんな感じで行った血液検査ですが……。 結果は「特に異常はありません」との事でした。 今回の検査で1番心配されたのは、妊娠すると血液の流れ(血行)が悪くなる(そうなると赤ちゃんに充分な栄養が行き渡らないから)、と言うものだったのですが、私はそれも大丈夫との事。 最初、先生から告げられた時は、 「ん?ならどうして?」 と言う、単純な考えしか浮かびませんでした。 特に異常がないなら、3回ともたまたま流産してしまったって事?って……。 その後は再び担当の看護師さんとの話になりました。初日に話を聞いてくれた看護師さんです。 「とりあえず、今回行った検査では異常がなかったとの事ですが……。良かったですね!」 ーーえ? 看護師さんの言葉に私は内心驚きました。 「良かったですね」なんて、言われるなんて、正直思っていなかったんです。 何故なら私は「〇〇〇〇が原因で妊娠出来ません」って、言葉を心の何処かで期待していたんだと思います。 原因が分かれば、今まで流産してしまった赤ちゃんの事を少しは仕方なかったんだ、って思える。 もう、子供をほしいと思ったりせず、自分には理由があって子供が出来ないんだから仕方ない、って思えると思っていたのでしょう。 繰り返す流産。 平然を装いながらも、私はきっと最後の諦めるキッカケが欲しかったんだと思います。 そしたらもう、嫌な感情を抱く、嫌な自分を見なくてすむから……。 すっかり"逃げ"のような気持ちが強かった私は、看護師さんに言われた「良かったですね」を初めは理解できませんでした。 だから思わず、 「良かったん、でしょうか?」 と聞いてしまいました。 すると看護師さんは笑顔で、 「良かったですよ!だってあなたは健康なんですから!」 って、言ってくれたんです。 そう言われて私は、ハッとしました。 自分が健康である事、そんな事すっかり忘れていたんです。 看護師さんにそう言われて、私はやっと 「なんか……ごめんね」 と、繰り返す流産の私に母が悲しそうに言った理由が分かったんです。 私はいっぱいいっぱいで赤ちゃんの事しか見えて(考えて)いませんでしたが、私の健康の事を心配し、「不育症(こんな風)に生んでごめんね」と悔やんでいる母がいる事に気付きました。 ……そうだ。 何事にも、まずは自分が元気で健康でなきゃ駄目なんだ!! 私はそう思えて、やっと前を向けた気がしました。
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