EXTRA 1.

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 洗面所にはフェイスタオルが用意されていた。これも毎朝綴のために奏司が用意しておいてくれる。綴は顔を洗ってそれを取ると、「あ」と小さな声を出した。 「柔軟剤変えたか?」  洗面所から出て、肩に掛けたタオルの匂いをかぎながら綴が問う。 「この前買い物行った時に綴さんがいい匂いだって言ってたやつ、ドラッグストアで超特価フェアやってたんです」  にっこり笑いながら奏司が返す。嬉しそうだ。 「俺も好きです、この匂い」  コーヒーカップを片手に綴の首筋に顔を寄せる。クンと匂いを嗅いで笑った顔がとても幸せそうで、綴の心臓がトクンと鳴った。赤くなりそうな顔をタオルで隠してそそくさとテーブルに着く。 「立派な主夫になってきたな…」  料理以外の気遣いもハンパない。綴の呟きは奏司には聞こえなかったらしく「はい?」といって首を傾げた。
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