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自分の中の恋愛感情による矛盾。
離れなきゃならないのに側に居たい。
奏司はもうこんがらがって、面白くさえなってきた。
しゃもじを持って立ち上がると綴に届ける。
そして赤いピアスの耳に唇を寄せた。
「じゃあ俺、床に落ちないように今日も綴さんにしがみつくかもしれないけどいいですか」
綴はもっと赤くなって、それでも奏司を見返した。目線が上に向くのが腹立たしい。成長しやがってこの野郎。
色んな意味で、成長した感。
「俺、寝相悪いからな!蹴るからな!知らねえからな!」
もう何を言っても奏司には幸せの福音だった。
「じゃあもう絶対、余計離せませんね、朝まで」
「あ、朝?!」
今日はどう切り返しても奏司に勝てそうにない。最強の赤ネクタイめ!
それでも『嫌だ』と言わない綴が、心から好きだと奏司が再認識する。
明日は休みだから、朝寝しましょうねと、奏司が笑った。
***STRONG RED-------→END***
AND NEXT STAGE IS 『bonus track』
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