bonus track 2

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bonus track 2

「本当に大きな家だね」  佑木くんが天井を見上げて言った。 「うん」  俺は素直に頷いた。実際デカイ家なのでここで「そんなことないよ」と言ったら謙遜通り越して嫌味な感じがする。 「大きな家、故に部屋も沢山あってね、ピアノ室もあるんだよ」 「そっか」  二日間とは言えご家族の生活の邪魔をしなくて済そうみそうならよかったと佑木くんが安心したように息を吐いた。  ピアノ室と呼ばれる俺の部屋の隣の部屋はもちろん防音仕様で、メーカーの違うグランドピアノが二台置いてある。案内すると佑木くんは、帰りに寄ったコンビニで仕入れたものとカバンを置いて、早速上着を脱いだ。  タイピンで留められた赤いネクタイが見える。  羨ましいと思ったことはない。とても良く似合うなとしか。はっきり言って佑木くんが緑のネクタイを着けているのが想像できない。  佑木くんは手前にあるピアノの蓋を開けると鍵盤を一つ叩いた。強弱をつけて和音をいくつか鳴らす。そしてピアノを変えると同じように弾いた。音を確かめているのだ。 「学校のと同じメーカーのは手前」 「うん」  分かってるだろうけどと思いながらも俺は佑木くんに説明した。 「ギブソンとフェンダー…」  ぽそっと佑木くんが呟いた。 「え、何?」  俺が問い返すと「いや、何でも」と言って佑木くんが口元だけで笑った。
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