わたしをあたためて

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ある時からご主人の指が他の男の手を握り、そいつの肌に触れ抱きしめ、私は抜かれてベッドサイドに置かれるようになりました。 電気が消されて何も見えなかったけど、カーテンから漏れる外の光で、ご主人の顔は泣きそうでした。 でもそいつと絡み合う声は、とても嬉しそうなんです。 ご主人は旦那さんを愛している。一日に何度も好きと言いあってる。 なのにご主人を荒々しく扱う乱暴な他の人と、知らないお部屋に来てしまう。 「わたし」はとうとう、そこに向かう電車の中で、指から抜かれてバッグにしまわれるようになりました。
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