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やがて、ご主人は男に会わなくなりました。
とても重い病気のようでみるみるげっそりとやつれていきました。
私はしばしばご主人の指から抜けそうになって、必死に左手の薬指にしがみついたものです。
苦痛と不安で泣くご主人を、旦那様は抱きしめました。
間もなく、ご主人は入院しました。
はじめ大部屋だったのに、まもなく何度も手術を受けて、器具のいっぱいある個室に移りました。
旦那さんと男の子は、何度もお見舞いに来ました。
ご主人を抱いた乱暴な男は全く見なかった。
すっかりゆるゆるになってしまった私を、ご主人は指から抜いて、あの日のようにベット脇のクローゼットに置いていました。
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