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だってそうじゃないか。 母は今こうしてとても幸せそうにしている。 僕といたころよりずっと。 一方の僕はどうだい? こんなみじめな格好で、何も持っていない。 僕はこの場にいてはいけない、と思い、 とぼとぼと敷地外に出ました。 これからどうしよう。 いっそトラックに飛び出してしまおうか。 いや、店の近くはよくない。 最期まで母に迷惑をかけることになる。 ああ、そうだった。 おばあちゃんのお墓にあいさつに行くんだった。 あっちでおばあちゃんに会いたい。 「すみません。ちょっといいですか?」 急に声をかけられ、ドキリとし、体が固まったまま動けませんでした。 すると声の主はぐるりと僕の前に立ちました。 警察官でした。 警察官は僕の汚いリュックを持っています。 「すみませんが、こちらはあなたのものではないですか?」 警察官はリュックから僕の財布を取り出し、保険証を見せました。 「本田学さんですか?こちら…あなたですよね?」 リュックの中にいあった古びた写真を警察官が僕に見せました。 懐かしい、調理師免許を取ったとき、エミさんがお祝いで店の前で写真を撮ってくれたものだ。この時はまだ僕に笑顔があります。 「W駅付近で起きた事件についてお話をお聞きしたいのですが」 「W駅…」
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