近衛 颯

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「いいですか、近衛父。俺の事を悪くいうのは構わないですが、自分の息子に対してその口の利き方はどうなんでしょう?」 「な、近衛父だと?!バカにするのもたいがいに!」 「それをあなたが言いますか?散々近衛のとして色々なことを颯さんに強要させていた貴方が?は、笑わせないでくれ。」 「なんだと…?!」 「それに、貴方の一存であの学園を馬鹿にして、本当に大丈夫なのですか?あそこには今一ノ宮の息子や、九条の所の者もいますが、この2つの家に対する侮辱ととっても宜しいので?」 「貴様…!うちのものは既に大学入学レベルの勉強はとうにしているんだぞ?!まだ高校も卒業してないような青臭い小僧共に釣り合うと思っているのか?!」 「少なくとも、それを決めるのは貴方では無いですよ。貴方飛び級出来るほどの秀才な息子さんが、誰とどう付き合ったらどうなるのか、考えられないとお思いですか?」 「なっ…?!」 「綾ちゃん……。」 既に言葉を失った近衛父に、俺はさらにダメ押すように続けた。 「それに、今は自由恋愛が世の中でも推奨されてます。誰とどういう関係を結ぼうが、それが犯罪でない限り、幸せを願うことくらいしか親にしてあげられることなんてないです。出しゃばらないでください。 そうやって縛り付けるのが親のすることですか?それとも貴方は、子供の幸せを願ってあげることすら出来ない情けない親なんでしょうか? ああ、子をなせないからだめだって?子供なら養子でも何でもすれば作ることだって出来るでしょう。いつまでも古臭い価値観にしがみつくのは勝手ですが、それに周りを巻き込むのはやめて頂きたい。」
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