E組の真実

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「勉強の成績以外で…?」 「ああ。もっと分かりやすくいえば、勉強こそこの学園の基準に到達していないが、それ以外の事、例えばスポーツや芸術系とかな。そういった才能のある子を余さずすくい上げるための、言わば『囲い込み』みたいなもんだな。」 「ふむ…。」 なるほど、それは確かに囲い込みと言ってもいいだろうな。どこから得た情報で判断しているのかは分からないが、この学園には面談もある。 そこでその子になにか強烈に光る個性があって、それが試験監に伝われば、例えばテストでは不合格だったはずのものも『E組』という特例としてこの学園の生徒にできる。 それはその子が卒業した暁にその分野で活躍してくれれば、この学園ももっと箔が付く、と言ったような理由だろうか。 「…それはなんというか、とても身勝手な理由だな。」 確かにその分野に精通したとても腕のいい先生を雇えるだけの人脈もあるだろう。お金もあるし、設備などを揃えるのも問題ないかもしれない。けれど、それだけの為にその子をE組に放り込むのはいささか雑すぎるような気もする。 俺が難しい顔をしているのを見て、担任は首を傾げた。 「そうか?人の事情はそれぞれだが、生徒だって合格したくてここ受けてんだろ。そこまで悪い話じゃないと俺は思うけどな?」 「まあ、そこの点は俺では何も言えないからいいだろう。だが、そうして受け入れた先があれではいくら何でも可哀想ではないか?その選考基準さえ公表すれば彼らは、」 「そうだなぁ、普通はそう思うよな。だがな、残念なことにそれじゃダメなんだ、この学園では。」 そう言うと、担任はふっと目を伏せた。長い前髪が担任の目元を覆い、影によりその表情はうかがえない。
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