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「だがそれは、教育現場を指導するものとして余りにも不適切な判断だろう。仲裁するとか、もっと何かやり方があったはずだ。」
気に入らない。そう、全く気に入らないのだ。
このやり方、俺は大嫌いだ。
そう言いながら眉を寄せると、担任はあっけらかんと言った。
「じゃあお前が変えちまえよ、九条。」
「うん?」
「だから、お前がどうにかしてE組の立場を救ってあげればいいじゃねえか。」
簡単なことだろ?とほざく担任に、俺は2度見した。
何言ってんだこいつ。
「…あのなぁ、そんな簡単に出来たら今までだって苦労は、」
「なんだ、九条家のとこの坊ちゃんだって言うのにこんな事でひよってんのか?」
……は?
「あーあ、先生お前のこと期待してたんだけど、失望しちゃったわ〜。」
は?は?何言ってんだこいつ。
失望?ひよる?
俺がか???
「おーこわ。何怒ってんだよ、だって事実だろ?風紀委員長なのにE組すら救えないんだからな。」
「………………やる。」
「ん?聞こえな、」
「だから、やるといったんだ。…俺の事をバカにした事、すぐに後悔する事になるからな。」
そう言って担任をギリっと睨むと、全く怯むことなくニヤッと笑い返された。
「おーおー、楽しみにしてるぞ。綾斗。」
「気安く呼ぶな、担任。」
「うっわ、めちゃくちゃ好感度下がってんじゃん。」
人の事煽っといてなに言ってるんだ、この担任は。当たり前だろうが。
「取り敢えず、煽ったからには担任にも色々協力してもらうからな。」
「教師も使うなんてさすが九条だなー。」
「ぶっ飛ばすぞ。」
「はい、暴言禁止〜!」
妙にこちらをイラつかせてくる担任に、俺は深くため息をついて言った。
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