画策

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画策

とは言ったものの、やはりというか西日が差し込む校舎に人気は無かった。 「…普通は帰るだろうな、この時間は。」 完全に失念していた。 「あ、委員長!お疲れ様です!」 「あ、ああ。お疲れ様。」 「こちら今から見回りの巡回を始めるところです!委員長は……なにかご用事ですか?」 見回りをするところだった委員は、俺を見るとピシッと背筋を伸ばして話しかけた。 そうか、獅堂を風紀に引き入れてからここの巡回も検討していたんだったな。 今日がその初めての日か。 不思議そうにこちらを見つめる委員に、俺は答える。 「少し人探しをな。まあ、来るのが少し遅かったようだが。」 「そうだったんですね…。」 「君は、俺と同じクラスだったな。」 「ぅえっ?!お、覚えてらっしゃるのですか?!」 「当然だろう。」 「そ、そ、そうで、したか…。」 何故か焦ったような様子の委員に首を傾げつつ、俺は彼の隣に立った。 「ここは今日が初日だろう?俺も一緒に巡回しよう。いいか?」 「はぇっ?!こ、光栄です!!」 「ははっ、そう畏まらなくていい。」 やたら緊張している生徒に、俺は笑いをこぼした。ガチガチだな。 一応言っておくが俺は同級生だぞ? それにいくら近衛の宣言のおかげで風紀に対する風当たりが弱くなったとはいえ、完全になくなったわけではない。それなのに委員を放っておいて先に帰るのはいくら何でも酷いし、いい機会だからこの校舎も一緒に回ってみて様子を見てみるか。
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