画策

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「だから、学園行事として半強制的に参加させようってことか、なるほどね。」 「まあ、そんなところだ。理解せざるを得ない状況を作るのは、学園行事を利用するのがうってつけだろう?所で、浅桜は前回生徒会が立案してきた新歓の内容を覚えているか?」 「もちろん。サバイバルゲームなんて、本当に馬鹿かと思ったよ。本物じゃないとはいえ学生に銃を持たせるなんて。どんなトラブルが起きるかなんて怖くて考えたくないよ。」 そう言ってため息をついた浅桜に、俺は頷いた。 「そうだな、流石にそれは危険すぎるから安全性も両立させろと却下したが、次の案も多分骨組みは同じになるだろう。だからそれを利用するんだ。」 「S組とE組を同じチームにするつもり?いい考えだとは思うけど、協力するとは限らないんじゃない?あの溝の深さはちょっとやそっとじゃ埋まらないだろうし、生徒からの反感も強いと思うけど。」 「ああ。その懸念は考え済みだ。少し獅堂に確認したんだが、近衛颯に協力して貰えれば嫌々ながらもE組からトラブルを起こす確率はかなり抑えられそうだ。」 どうしてそこまで近衛に従順なのかは正直分からないが、助かることは事実だ。まだ頼んでないから、断られたら別の策を講じるしかないが。 そこまで言うと、浅桜は眉をしかめて言った。 「どんな恐怖政治してるのあいつ。」 知らん。
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