生徒会への提案

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生徒会への提案

「ええ、私はいいと思いますよ?これ。」 俺が持ってきた資料にあらかた目を通したらしい榊原がそう言う。 その隣に座っていた書記である君嶋も、榊原の言葉に頷きながら言った。 「ああ、俺も異論はない。むしろこの案件は、ここの生徒として協力するべきだ。」 「えー皆賛成な感じ?ま、俺も異論はないけど〜。」 「「僕達も異論はないで〜す!」」 君嶋に続いて会計の東雲、そして庶務である双子の青山(あおやま)兄弟だ。 真っ白な髪はふわふわしていて、肩の辺りではねていて、よく可愛い!と言われている。 俺からしてみれば、背が低いわけでもなく普通に170ある男捕まえて何言ってんだって感じだがな。そして夏の青空のような澄んだ青色の瞳を持つ端正な顔は驚くほどそっくりだ。 兄の(ひじり)は左側を、弟の(りつ)が右側をそれぞれピンで止めているから何とか判別が付くが、それを外されてしまえば多分俺は見分けがつかないと思う。 一ノ宮以外の生徒会からの賛同は得られ、とりあえずほっとする。 それから、未だに資料を眺めている一ノ宮の返事を待っていると、不意にバサッと机に投げ捨てて言った。 「ダメだ。」 それから、俺が口を挟むまもなくとどめを刺すように続けて言う。 「オレ様は反対だ。協力は無理だ、諦めろ。」 「……理由は?」 「いちいち言う必要あるか?テメェも分かってんじゃねえの?」 一ノ宮はそう言いながら、アメジストの瞳を細めてこちらを見つめた。 まるでこっちの考えも全て見透かした様なその視線に俺は僅かに顔を逸らした。 この顔をする一ノ宮は苦手だ。
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