生徒会への提案

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ジリジリとした空気の中、焦れた榊原が言った。 「光輝、はぐらかさないで下さい。反対するならするなりの理由を、」 「近衛。」 「はい?」 被せるように答えた一ノ宮の口から飛び出した人物名に、榊原は面食らう。 一ノ宮はその様子をちらりと見つつ再び言った。 「近衛颯頼りなのが、オレ様は気に食わねぇんだよ。」 「はぁ?」 「だってそうだろ?ここに書いてある通りになるとすれば、E組を纏めるのは近衛颯ってことになるじゃねえか。オレ様はそれが気に食わねぇんだよ。生徒をまとめるのはオレ様の仕事だろ?それが生徒会長だろうが。」 その言葉に、1度2度目を瞬かせた榊原は言った。 「…………子供ですか、貴方は。」 「「かいちょー、子供〜!!」」 「あ?なんだとテメェら!」 榊原は呆れたようにため息をつき、青山兄弟も揶揄する様に後に続いた。 俺としても、別のところに引っかかってるのかと思っていたからそこなのか??という気持ちだが、このしょうもなさもいつもの一ノ宮らしいと言えばそうだな。 しかし、君嶋はそれを見てやれやれと肩をすくませた。 「お前のことだ、それだけじゃないんだろう?ちゃんと教えてあげたらどうなんだ。」 「なんだよ(はじめ)。お前綾斗にやけに優しいじゃねえか?」 「そうか?まあ、俺が彼を気に入っているのは事実だが、それは今は関係ないだろ。」 いや、初耳だが?! そういうことをサラッと言えるなんて、さすが君嶋だな。俺には無理だ。
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