生徒会への提案

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「その懸念も最もですけれど、だからといってこのままにしておくのもどうなんでしょうね?それこそなんて知れたら、ね?」 「………あ?」 「ああ、そんな怖い顔しないで下さいよ。ただ私は、この学園の古い慣習を変えるというに対して、かの一ノ宮の長男が恐れを為して、しっぽを巻いて逃げたと思われないか心配なだけで。」 「……薫、テメェ…。」 「貴方がどこに引っかかってるのか知りませんけど、始めない事には何もなりません。見たところ気になる点はきちんと彼も把握されてますし、大体殆どの運営を風紀に投げていいなんて、サボれる大義名分ができていいじゃないですか。いつもの貴方なら飛びつくかと思いましたが?」 「……………………。」 グサグサと榊原の言葉が一ノ宮のプライドに傷つけられているのを手に取るように感じる。 というより、ついこの間担任に煽られて乗せられた俺を見ているようで恥ずかしくなってくる。傍から見るとこんなにちょろく見えるのか…という感じだ。 東雲達はそーだそーだ!と野次を飛ばして笑っているが、俺は全く同じ乗せられかたをしていて見ていて笑えないのだ。 黙り込んだ一ノ宮に、思わず俺も口を噤む。 しかしそんな中でも君嶋はこら、と顔を顰めた。 「榊原、堂々とサボるとか言うのは良くないぞ。」 「まあまあ、これもひとつの考え方という事ですよ。私がそれを推奨している訳ではありませんから。」 「しかしな…。」
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