生徒会への提案

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「それに、」 「っ、榊原?」 グッと俺の腰に手を回して体を近づけてくる榊原。 突然のことに首を傾げていると、榊原はにこりと笑って微笑んだ。 「折角綾斗にいい所を見せられるチャンスですから。サボるなんてことしませんよ。ね?」 「まあ、それならいいが。」 「君嶋?何も良くはないぞ?」 しっかりしてくれ、君嶋は俺の味方だったんじゃないのか。 触るなと手を叩き音すも、榊原はにこにこと笑ったまま、いつの間にか俺の隣にピタリとくっついている。暑苦しい! 少し前に話してから、何故か暫くは大人しくしていたんだがな。 聞くに、谷塚の所に通いつめていたと。谷塚には悪いが、漸く付きまとわれずに済むとほっとしていたのだが、またこういう事をするとは。 榊原が俺を引き寄せたから、ずっと抱きついていた東雲は体重をかけるものを失って不服そうに頬を膨らましている。 「ふくかいちょーはハルちゃんのこと好きなんじゃないの?浮気〜?」 「その件ですが、私も色々思うところがあって現在整理中です。口を挟まないでください。」 「冷た〜!てかそれで俺の肘お、九条取るのやめてくれない?俺が怪我するじゃん。」 おい、肘置きって言いかけてるのバレてるからな東雲。 それ誤魔化しても東雲の言い分は随分酷いが。 俺を挟んでギャーギャー言い始めた2人に、俺の目がどんどん死んでいく。 君嶋はその様子を見て、申し訳なさそうに眉を下げた。その横で、一ノ宮は乗せられたのが余程不服なのかムッとした様子で黙り込んでいるし、青山の双子は既に話し合いに飽きたのか、お茶を入れに給湯室にじゃれ合いながら行ってしまった。 いつもこんな自由なのか?こいつら。
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