生徒会への提案

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「で?やるんですか?やりますよね?やるしかないでしょう?」 「っんとに押し付けがましいなテメェは!わーったよ、やりゃいいんだろ。ただし、オレ様はどうなっても知らねぇからな?」 一ノ宮のその言葉に、俺は頷く。 「そこを何事も起きないようにするのも俺達風紀の責務だ。出来る限りの手は尽くす。」 「ま、九条がそう言うなら大丈夫だろうな。」 「ええ。そうですね。」 「君嶋…榊原…。」 君嶋と榊原の言葉に思わずジーンときてしまった。 実は、生徒会と風紀は長年不仲だったのだ。 俺を風紀委員長に指名した前任のクソ野郎も、当時の生徒会と相当仲が悪かったし、これも学園の一種の伝統のようなものだったのだ。 だが、確かに俺自身も一ノ宮や榊原等に多少の苦手意識などはあるが、それでも学園を運営していく仲間として、上手くやっていきたいという気持ちがあった。 特に俺は君嶋の事を尊敬しているしな。 だがそれは俺個人が勝手に思っていることで、実際部下たちは生徒会のことが苦手な人が多いのも事実だ。 普段の生徒会の横柄な態度に嫌気がさして、風紀に入ってくる人もいるくらいだ。 浅桜とか、確かあいつ榊原のこと嫌いだしな。近衛といい、喧嘩売りすぎだろと思うが。 そういう関係だと思っていたから、こうして言葉で信頼を寄せてくれていることを実感すると何だか嬉しくなる。 顔が緩むのを感じながら、君嶋たちを見ていると、一ノ宮は既に苛立った様子もなく普段の不敵な笑みを浮かべて言った。 「そこまで言うなら、なんか起きたらお前俺の雑用係1週間やらせるからな。」 「は??」
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