生徒会への提案

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「別に問題ねぇだろ?何も事件が起こらなきゃいいんだから。」 「起こさないように気をつけるのは事実だが、それがどうして罰ゲームみたいになる。」 「罰ゲームじゃねえだろ、俺の世話できるんだから。親衛隊の奴らなら泣いて喜ぶぜ?」 「残念ながら俺にそう言った趣味は無いのでな。」 そう言うが、一ノ宮は無視して俺の隣にいる榊原にあれを取れと声をかける。 「もう、自分で動いたらどうなんですか?」 「お前のがちけぇんだよ。」 文句を言いつつも榊原は少し離れた執務机にある資料と、そして何故かペンも渡した。 これが以心伝心って言うやつなのか、凄いな。 密かに感心しながら眺めていると、暫くして書類に何かを書き込んでいた一ノ宮はそれを差し出してきた。 「このオレ様が協力するからには失敗させんじゃねえぞ。」 「……これは、」 ペンで書き加えられていたのは、俺が気になりつつも人手不足で手が回らなかったところだ。 生徒会からも人を出してくれるということだろう。 それを覗き込んで見ていた東雲はえーと声を上げた。 「かいちょーの事だから足引っ張って雑用させて面白がると思ってたのに、真面目じゃん〜。」 「オレ様のことをなんだと思ってんだよ。」 「ちょっと頭のいいヤンキー。」 「ぶっふ、」 「おい綾斗、笑ってんじゃねえぞ。」 「いや、すまない。」 そのネタにはどうも弱いみたいだ。
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