生徒会への提案

8/11
前へ
/153ページ
次へ
「では、新歓は基本的には所属クラスでふたつのチームに分けるということでよろしいですね?」 「ああ。分け方はそれぞれS、E、C組のチーム、A、B、D組だ。実は近衛とはもう連絡をとってあり、E組全員参加を強制したらしい。代わりに、優勝した暁にはご褒美をよこせと言ってきたが、優勝したチームに褒美をやるのは元からそのつもりだから問題ないだろう。」 「そうだな。何が喜ばれるのか分からないから、ここに書いてある通り後日集計をとってその希望通りに褒美を与えるのでいいと思う。」 最後の確認のため、話し合いながら資料の中身を確認する。理事長に提出する前の最終確認だ。君嶋の言葉に、青山兄弟はハイハイ!と元気に手を上げる。 「「あと、終わったあと立食パーティーしたいでーす!僕達アオヤマからもスイーツの提供するよ!」」 「ふむ、立食パーティーですか。」 所謂懇談会のような物か、いい考えだな。 しかも有名パティシエを多く抱えるアオヤマからの提供なんて絶対美味しい。これはマジだ。 たまに兄上がお土産として買ってきてくれるのだが、ここのショートケーキは本当に美味い。 これならこのパーティ目当てでやる気が出る生徒も多く居そうだ。 予算の方も恐らく、ギリギリ足りるくらいなら残っていたはずだ。 しかし、一ノ宮は怠そうにため息をついて言った。 「めんどくせぇ。」 「「え〜〜!絶対楽しいよ!」」 「立食パーティーなんて死ぬほどやってんだろうが。今更態々やりたくねぇよ。」 「あ、かいちょ〜!ちょっと聞いてよ。」 そう言うと、未だに俺の腕に寄りかかっていた東雲がぴょんっと起き上がって、一ノ宮の耳元で何かを囁いた。 すると、不機嫌そうだったアメジストの瞳がきらりと輝いた。やがて、薄い唇もニヤリと持ち上がる。 なんか嫌な予感するのはなんでだ。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1040人が本棚に入れています
本棚に追加