生徒会への提案

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にしても、二人揃うとほんとに顔がいいなと思う。今世では何故か周りに顔がいいやつがゴロゴロ良すぎて見なれてしまったような感じで恐ろしいが、前世ではこんな顔の良い奴なんでそうお目にかかれなかった。 それこそ芸能人の様だと毎度思う。 俺自身(九条綾斗)も含めて。 それから東雲が一ノ宮から離れてニコッと笑った。 「ね?いい考えじゃない〜?」 「へ〜?まあいいんじゃねえの?おもしれぇ。」 「だよねぇ〜。うんうん、九条もそう思うよね?」 「は?俺?」 コソコソ話してたくせに俺に聞くんじゃない。何も聞こえなかったぞ。 「まあ光輝が乗り気になったならそれでいいんじゃないですか?負けた学生に対しての多少の褒美にもなるでしょうし。食糧やそれで新たに発生する人手についても理事長にも言ってみましょう。」 「何とかならなかったら九条でも聞いてみる。確か、母上辺りに腕のいい料理人のツテがあったと思う。」 母上は美味しいものがお好きだからな。 兄上に聞くのもいいけど、兄上に聞いたら料理人どころか何処かの五つ星店をまるまる買い取ってきそうで怖い。兄上に頼むのは最終手段だ。 榊原はそんな俺ににこりと微笑んだ。 …おい、さりげなく腰に手を伸ばそうとするな。 「ありがとうございます。服装に関してはまあ我々のいつも通りのパーティと同じでいいでしょう。」 「いや、そこは敢えて自由でいいんじゃないか?動き回った後に着替えるのは大変なやつも多いだろうし。」 そう言った君嶋に、俺も頷く。 新歓が終わってどれくらい時間が空くか分からないが、恐らくみんな体を動かして疲れ切っているだろうし俺もそれでいいと思う。 しかし、一ノ宮の隣からこちらに戻ってきた東雲が声を上げた。 「え〜ありえないんだけど。ボサボサのままパーティすんの?」 「疲れている生徒に強要することは出来ないだろう。」 「「ダメダメ!パーティならオシャレするのが基本だよ!」」 「わがままを言うな、青山兄弟。」 「「ワガママじゃないもん!あと変な呼び方するな!」」
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