生徒会への提案

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便乗するように反対する青山兄弟に俺は頭が痛くなる。 君嶋はそれに対して、双子を宥めるようにポンポンと頭に手を置くと言った。 「ならばその件は一旦保留にして、理事長に意見を仰げばいい。こういう時は大人の意見も聞くべきだろう。」 「「一が言うならそれでいいけど〜〜!」」 「そうだな。しかし先に言っておくが、風紀からこれ以上人は回せないぞ。既にみな走り回っている。それにスタイリストを雇うならその予算もどう捻出するのか考えていかないといけない。」 「パーティはできるのに?」 「そこで予算が尽きるという計算だが、何か?」 「「ぶー!!」」 「ぶーでは無い。毎年かなり残るはずの新歓当ての予算が尽きる意味を考えろ。」 料理にかかる食費やそれを運ぶ人、作る人を考えるとそれでもかなりギリギリなパーティだ。スタイリストや服のレンタルなどをする余裕はない。 というか、普段からそうした金のやり取りをしているはずの会計である東雲がそっち側なのはどういうことだ。東雲は仕事してたらこの豪遊っぷりのやばさが分かるだろうに。 俺の視線に気がついたのか、東雲はえへっと笑った。 「俺バカだからよくわかんないんだよね〜。」 「………ちっ。」 「舌打ち?!」 酷くない?!九条今舌打ちしたよね?!と騒ぐ東雲は放っておいて、俺は立ち上がる。 「兎に角、話が纏まったな。なら俺は理事長に確認を取って貰いに行く。」 「あぁ待ってください、私も行きます。」 「……なんの用だ。」 「ふふ、そう警戒しないでくださいよ。少し理事長に用がありまして。」 「そうか、ならさっさと行くぞ。」 「ええ。」 用があると言った榊原と共に部屋を出ようとする。
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