生徒会への提案

11/11
前へ
/153ページ
次へ
そこではたと気がついて立ち止まる。 危ない、忘れるところだったな。 「榊原、青山兄弟。」 「はい。」 「「なになに?」」 「菓子とお茶、美味かった。ありがとう。」 「「ふふふ、どういたしまして〜!」」 「気に入って頂けて良かったです。」 それが言いたかっただけだから、俺はそのままじゃあなと部屋を出た。 その様子を見ていた東雲は、扉が閉じたと同時に呟いた。 「待って俺驚くほど無視されてない?ねぇ。」 「仕方ねぇだろ、蒼だから。」 「「そうそう、蒼だからね〜!」」 「東雲はその、まあ、残念だったな。」 「一くんのそれが1番傷付くんですけど?!?!」 「「まーまー、お菓子食べる?」」 「食べるぅ〜!」 「「あはは、餌付け〜〜!」」 東雲とじゃれ始めた双子を脇目に、君嶋は隣に座る一ノ宮に言った。 「男の嫉妬は見苦しいぞ、光輝。」 「………るっせ。」 普段の彼からは考えられない空回る様子に、先程は思わず口を挟んでしまった。 あの完璧超人な幼馴染が振り回されているのを見るのは、なかなか面白い。 「意地悪なんかせず、直ぐに賛同してやればよかっただろうに。変に突っかかるのは小学生のすることだぞ?しかも言うに事欠いて、の部分に突っかかるとは。」 「チッ!」 素直に「近衛を頼るんじゃなくて俺を頼れ」とか、「それはお前が危険だからやめろ」と伝えられるタイプなら、まあそもそもこんなに苦労はしてないだろうが。 「てめぇはオレ様の親かよ。」 「こんなでかい子を持った記憶はないな。」 全く、この幼馴染は世話がやけるな。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1040人が本棚に入れています
本棚に追加