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「谷塚、やはり俺は」
そこまで言うと、浅桜がハイハイ聞いてと俺の肩を叩く。途中で言葉を切られて、首を傾げながら向き直すと、彼は言った。
「親衛隊、作っちゃおうか。」
「親衛隊……?」
「それは、」
「実際、俺たちの仕事も増えてるじゃないか。信頼のおける子に管理してもらって親衛隊の方で守って貰える方が、谷塚くんにとってもいい事だと思うけど?俺たちの準備も大詰めだ。いつ谷塚くんに何かがあってもすぐに駆けつけられないかもしれないんだよ?」
綾斗、守り方にも色々な種類があるんだよ。
浅桜はそう言うと、谷塚に話しかける。
「どうかな?親衛隊。俺たちが君のことを守るのには限界がある。正直今でも手一杯だ、情けないことにね。だから、あれら荒れ狂う波から君を守る防波堤として親衛隊を設立するのはどうかなって事。勿論君のことを恋愛的な意味で好きでなくてもいい。信頼のおける、頼ってもいいと思えた友人に頼むのも手だよ。」
居ないようならこちらが調査して信頼できる人に任せることもできるしね、と微笑む浅桜に俺は笑みをこぼす。
本当に、うちの副委員長は頼りになる。
……守り方にも色々な種類がある、か。
浅桜の言葉を聞いた谷塚は、暫し考えたあと「すこし相談させてください。」と言った。
それに勿論だよと頷く浅桜。
そんな2人に俺はありがとうと言った。
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