認めたくない現実

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映画とかアニメとかでしか見た事のないような豪華な内装に思わずそう感じた俺だが、やっぱりというかまあ普通にボンボンだった。 しかもこれはあとから判明したのだが、そんじょそこらのボンボンではなかった。 日本だけにとどまらず、海外にも勢力を拡大していってる大企業のボンボンだったのだ。 もはやキングサイズさえも超えてそうなでっっっかいベッドの中心に、ちまっと寝そべっていた俺を取り囲むように家族がベッドに上がっていた。あー、この天蓋付きベッドもボンボンって感じだ。 もちろん、サラリーマンに脳内を占拠されたって、それまでの3歳の俺の記憶もあるからそれぞれが誰なのかはしっかり分かる。 左から、しっとりした黒髪に綺麗な翡翠の瞳を持つ優しげな男性が父上。 その隣でほっとしたような顔で父上に肩を抱かれている、これまたつややかな黒髪で、きゅっとつり上がった黒目のクールビューティな美人が母上。 そして俺の右手を握りしめて安心したように微笑んでいるのが、肩まで綺麗に切りそろえられたサラサラの黒髪に濃い緑色の瞳のおっとり美人な兄上である。ボンボンは顔面偏差値も馬鹿みたいに高いのだ。 おい神、大雑把に才能色々与えすぎじゃねえ? そんな目覚めから約13年後。 すっかり立派な高校生になった俺は、姿鏡の前で制服を着せられているのを、手持ち無沙汰に眺めていてふと気がついたのだ。 あれ、この顔、前世で見た事あるな??
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