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こいつはあれだ、関わっちゃいけないタイプのヤバいやつ。
そういう奴には何を言っても無駄で、速やかに退避するのが1番だ。
すくっと立ち上がった俺に、副会長はにこやかに言った。
「では、また明日お伺いしますね。」
「来るんじゃない!」
どこかでしたような会話で思い出した。
きっと昨日ブチ切れて帰って行った獅堂も同じ気持ちだったのかもしれない。
分かりたくなかった気持ちを理解してしまって、苦い気持ちになる。
そして、副会長の暴走も止めずに爆笑している一ノ宮にも睨みをきかせる。
君嶋の方をちらっと見ると、もはやキャパオーバーのようで顔を手で覆っていた。
分かるぞ、普通はそうなるだろうな。
谷塚はと言うと、何故か副会長の隣に移動している。彼の隣に座って何かを言っている様だ。
よく分からないけどこの恐怖の部屋にいる理由もないし、さっさと出よう。
「ではな。次からは日本語を話せる人を用意しておくように。……まあ、紅茶は美味かった。」
そう言うが早いか、返事も聞かずに部屋の扉を閉じた。
「……最悪だな。」
本当に最悪だ。
しかし過ぎたことは仕方ない。
取り敢えず、今の最悪な記憶を消すべく、俺はやるべきことをしようと思い直す。
そうだ、あんな変態共に構ってる余裕はない。
俺が焚き付けたみたいに見えるが、普通に諭しただけで誰があんな風になると思う?
今大事なのは、風紀委員の未来と、俺の労働環境を良くする為の1年だ。
時計を確認すれば既に放課後。
もしかしたら教室にはいないかもしれないが、取り敢えず確認しておこうか。
まずは鷹野くんから。向かうはS組だ。
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